働きウーマンインタビュー・佐藤美喜子さん

佐藤さんは現在、NECソフトウェア東北株式会社にて事業企画部主任を務めながらも、東北大学大学院経済学研究科に通い、3人のお子さんの子育てもしているという、本当にパワフルでバイタリティのある方。そのエネルギーはどこから湧いてくるのか、その秘密を探ってみました。

ミッションは産学官連携

佐藤さん・写真1

「現在は、コンピューターシステムの構築を行う会社に勤めています。私は、その中の事業企画部という部署で、特に『産学官連携』に関わる分野での事業推進をおこなっています。例えば、弊社と大学の先生と行政機関という3つの機関でコラボレーションをして、出来るようなことがあればそれも私の仕事です。」

『産学官連携』とは、大学などの研究機関と行政機関、企業が技術の面などで協力をし、新しいものを生み出そうという動きのことをいいます。

自分の中に命題として生まれたもの

産学官連携を主とした事業構想に携わる佐藤さん。そんな中、産学官連携プロジェクトのひとつとして、昨年9月に岩手県立大学・岩手県紫和町・NECグループの3機関で「独居高齢者見守りと遠隔健康管理システム」という取り組みが行われ、佐藤さんもそのプロジェクトに携わりました。このシステムは、独居高齢者の安心・安全のために、日々の健康状態などを保健センターや役場職員、遠隔地の家族に知らせ、見守ることを実現したもの。しかし、そのシステムは実証実験を終えると、本格運用のための継続予算確保は難しく、途中で断念する結果となりました。その時、佐藤さんはある思いを抱きます。

「今回は実験としての試みでしたが、実際には独居高齢者の方はたくさんいらっしゃいます。本当はとても必要とされているシステムなんです。なのに、運営していくだけの資金が出ないために取りやめになってしまった・・・。そのとき、本当は必要とされているものなのにお金のために断念しなければならない、その現状に疑問を感じたんです。」

そして訪れた転機・・・

産学官連携の現状に対する不満と疑問。そんな佐藤さんにある時、ひとつの転機が訪れました。宮城県が平成18年度に策定した産学官連携プロジェクト「情報産業振興戦略」。その中で、宮城県は「派遣OJT支援事業」(組み込みシステム分野や保健医療福祉分野に熟知した人材を宮城県で養成するため、県側が一定資金を援助し企業や研究機関に人材を派遣する事業)を推進。その派遣生として佐藤さんが選ばれ、大学で医療福祉システムについて研究することになったのです。

「説得材料があれば、この独居高齢者システムの経済効果が実証できれば、どこからかこのシステムのための予算取りができると思ったんです。例えば、市町村だったり国だったり、といった行政機関はもちろん、場合によっては個人負担との折衷案も取り入れてですね。費用対効果の実証、だから経済学を勉強することになったんです。」

県側から機会の提供があったとはいえ、いざ行動を起こすということは本当に大変なことですよね。まして、佐藤さんの場合は3人のお子さんがいらっしゃいます・・・。迷いや不安はなかったのでしょうか?

「もともと大学で勉強したいという思いはありましたし、ちょうど自分が持っていた疑問に合致していたので、迷うことなくすぐに決心しました。」

そのバイタリティには秘密が?

佐藤さん・写真2

「自信がついたんだと思います。というのも、2年前に産業カウンセラーという職業の資格を取ったんです。産業カウンセラーとは、企業などで人間関係やストレスに悩む従業員の心のケアを行う専門家のこと。その資格を取得するために7ヶ月間、毎週土曜・日曜に講座に通いました。平日は仕事をしていたので、その分、土日に家事や子育ての時間をやりくりして、朝から晩まで講義を受けて必死に勉強しました。そうすると『時間って作ろうと思えば作れるんだ』『最終的にはなんとかなっちゃった』、という思いがあって、今回のことに関しても、何の脈略もないのですがなんとかなるっていう妙な自信があったんです。最初から大きい事を始めようとするとすごく大変だと思うんですよ。だから、小さな事でいいので何かひとつやり遂げてみると次へのステップになるのかなって思います。」

カウンセラーの資格取得という一つの目標をやり遂げたことで身についた自信が、エネルギー源になっていると語る佐藤さん。私たちでもできそうな小さな一歩です。

何かを始めたくて足踏みをしているあなたへ

自分の目標のために一歩を踏み出した佐藤さんですが、きっとこれを読んでいる皆さんの中にも何か始めたいことがあるけど一歩が踏み出せないという方、多いのではないでしょうか?そんな女性たちにアドバイスをいただきました。

「どこかで読んだ話なのですが、例えば、大学に行きたいけど踏み切れない50歳の人がこう言い訳をします。『今から大学に行っても、卒業するまでに4年かかるでしょ。』って。でも、今から始めたら4年で終わるかもしれない。『でも、4年かかるから行かない』って言い訳していると、いつの間にか4年が経って、何もしないまま54歳になる。そのとき、まだいつ始めようかと悩んでいるんですよね。4年前に始めていればもうすでに終わっていたはずなのに。なるほど、と思いました。だから、やりたいって気持ちがあるなら別に遅いって事はない、始めようと思ったらそのとき始めてみればいいと思うんです。」

産婦人科の現状をなんとかしたいんです

佐藤さん・写真3

最後に、佐藤さんにこれからの目標を聞いてみました。

「ニュースなどでもよく聞きますが、最近、産婦人科医の数が減っていて、地方の妊婦さんが遠くまで検診に通わなければならない状況になっていますよね。それを、ITを使って何とかできないかなと考えています。母親の経験と、ITの経験と、今勉強している経済学の知識を活かして。」


さとうみきこさん Profile
1962年生まれ。岩手県花巻市出身。山形大学理学部卒業後、NECソフトウェア東北株式会社に就職。現在、同社事業企画部主任。宮城県が平成18年に策定した、産官学連携プロジェクト「情報産業振興戦略」における「派遣OJT支援事業」の一環として県から支援を受け、東北大学経済学大学院にて医療福祉システムを研究している。研究テーマは「遠隔健康管理システムの経済効果分析」。
社会人、兼、学生であると同時に、高校3年生から小学5年生までの3児の母。月曜から木曜は9時から18時まで大学にて勉学と研究活動に励み、金曜日は会社に出社、平日の夜と土日は家事をこなしている。

Contents

橋朋子さん(vol.6)
株式会社データウェイ・システムズ 総務部

オスブルグ里奈さん
(vol.5)

阪急交通社
二係(海外チーム)

ウェンディ畳指さん
(vol.5)

JC-21教育センター
教育部主任

小田切恵さん(vol.4)
まくろび庵

上野千恵さん(vol.4)
マルニ食品株式会社
企画開発室課長

佐向真理子さん(vol.3)
ミュージシャン
受付事務

森谷聖子さん(vol.3)
ベジタブル&フルーツマイスター

岡田佳子さん(vol.2)
富士通東北システムズ
経営企画室

菅原ゆうこさん(vol.2)
フリーアナウンサー

佐藤美喜子さん(vol.1)
NECソフトウェア東北
東北大学経済学研究科

高橋香織さん(vol.1)
アロマプロデューサー